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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

会社に戻ってからは、比較的のんびりと過ごせています。
社内業務といっても、手伝えることはないか聞いて手伝っている程度で
まだまだ何もできてないなあと思います。
自分から動くことの難しさを痛感しています。

こうしている合間にも、世の中は動いているのね。
ワールドカップがイタリア優勝で終わっていて
中田が引退発表してて
北朝鮮はミサイルを落とそうとしていて
後継首相の話題があって。

とりあえず7月はもっと時間を上手に使いたいなと思う。
気をしっかり持とうと思う。

で、「東京タワー」
これけっこう前に読み終わったので
新鮮な感想が書けないですが
私は読んだあと泣きました。
一貫してあるのは
リリー・フランキーの母親に対する深い愛情と
それ以上の母親の息子に対する深い愛情です。
多分、彼の人生の中心はそれであって
その周りの世界に対する冷めっぷりというのも伝わります。
冷めっぷりというか、それはリリーさんの持つ優しさでカバーしていますが
世の中に対するズレというものを早くから自覚していて
一番絶対的なものである母親との絆に無意識的であれ
救いを求めていたのだと思います。
あと面白いと思ったのは
この人は所々でかなり天然だなーと思ったこと。
根がどうしようもなくあったかい人なのだと思います。

何かあるといつでも駆けつけてくれるうちのオカンの事を考えます。
それを失うことを考えただけで恐ろしいけど
最近身内のお葬式が続けてあったりして
自分なりに「喪失」について考える機会もあるのですが
いまいちピンとこなかったりします。
ただ、何かを失うということは悲しいことであり
それが大切なものであるほど、重いほど
悲しみの感情は比例するのだと思います。

昔「夏の庭」て本を読んで大泣きしたっけな。
あれも「死」を扱ったものでした。
小さい頃、「死ぬ」ということに思いを巡らせて
怖くなって眠れなくなったことがあったなあ。
小4のとき飼っていた犬が死んで
私一人で最後を看取って
どうしたらいいのか分からないくらい悲しくて混乱してたな。

いろいろ考えると
一人暮らしとかしてないで
オカンとかオトンとかがいる近くにいたほうがいいんじゃないかと思う。
でもこの距離感が居心地よかったりするのだけど。
でもそれは絶対的なものに安心しているのであって
それがいつ失われるのかは誰にも分からないのだと思う。
つい最近、実家の後ろの家に誰もいなくなってしまったように。
今思うのは、残されたくないなあ、残される側にはなりたくないなあということ。
そういう悲しみを味わいたくないということ。だったら私は行く側の方が・・・。
それって無責任で卑怯な考えかもしれないけど。

なんだか長く真面目に書きました。
この本は、いろいろと流されて雑な気分のときに
ポンと肩をたたいてくれる、あったかい本です。

by mellon-collie | 2006-07-11 00:54 | 映画・音楽・本